近年、企業における従業員のメンタルヘルスの重要性が高まっています。
その中でも、産業医によるストレスチェック後の高ストレス者面談は、従業員の健康と企業の生産性を維持・向上させるためのキーポイントとなっています。
今回は対応が難しいとされているストレスチェック後の高ストレス者面談に関して取り上げていきます。
非常にメリットも多いのでぜひチェックしてみてください。
早期発見・早期対応の窓口として
高ストレス者面談は、従業員が持つ様々なストレスの原因を早期にキャッチし、それに適切に対応するための大切な手段です。
早期に問題を発見することで、重大な健康障害のリスクを低減させることができます。
なかなか切り出しずらかったり周囲に相談しづらいメンタル面に関してストレスチェック実施者からの誘いがあることは非常に重要です。
秘匿性を保ちながら面談を実施することも大切なポイントです。
信頼関係の構築
産業医と従業員との面談は、信頼関係を築く絶好の機会となります。
従業員はその場で自身の悩みやストレスを安心して打ち明けることができ、産業医としてはその情報を元に具体的なアドバイスやサポートを提供できます。
今後さらに悩みや身体症状が出現した場合に「産業医という存在に相談する」という手段を知っていただくだけで最悪のケースを防ぐことにもつながります。
企業文化の向上
高ストレス者面談を実施することで、企業としてメンタルヘルスを重視する姿勢が浸透します。
従業員の中には会社の健康やメンタル対策に関して不満を感じているかたも少なくありません。
会社としてフェアに対応しているという姿勢や環境を作っていきましょう。
これにより、企業全体としての働きやすい環境が構築される可能性が高まります。
生産性の向上
健康な従業員は、生産性が高いと言われています。
健康経営の考え方が浸透してきてなじみ深い方も少なくないのではないでしょうか。
特にメンタル面での不調はプレゼンティーズム(職場に来て働いているが生産性が下がってしまうこと)を発生させるといわれています。
面談を通じてストレスを軽減することで、従業員のパフォーマンスの向上や、長期的な勤務継続が期待できます。
リスクの低減
メンタルヘルスの問題が深刻化すると、長期の休職や退職、そしてそれに伴う採用や研修のコストが発生します。
復職しても前述したとおり生産性が上がらないことも多いです。
面談を通じて早期対応することで、これらのリスクを低減することができます(事業場内産業保健スタッフによるケアに近いです。)
ストレスチェックの高ストレス者面談の希望があった場合は会社として真摯に対応し産業医面談を設定するとよいでしょう。
まとめ
産業医事務所として、我々は従業員と会社にとってよりよい方向性を見定めるために、企業とともに最適なサポート方法を模索していきます。
ストレスチェックにおける高ストレス者面談はその中でもリスクが高く特に重要な取り組みとなっておりますので、産業保健職の活動にご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実