こんにちは。愛知つのだ産業医事務所株式会社の産業医角田拓実です。

今回は長時間残業面談を行う際に注意すべきポイントを説明します。

法令では条件を満たした場合80時間を超える残業時間の従業員に対して産業医面談を行うこととされています。

産業医面談を行う条件は?

前述したように一般労働者の面談の基準は残業時間が80時間を超えた際に産業医による面談が必要とされています。(研究開発職・高度プロフェッショナル制度は別規定あり)

これにはいくつか条件があり、条件としては「残業時間が80時間を超え、疲労が蓄積しており、面談を希望したもの」とされています。

したがって一般労働者に関してはあくまで任意となっています。

しかしながら、80時間を超える労働者に関してはリスクが高くなっており会社の安全配慮義務上留意しなければならない点も多いため実務上は面談を行うことが推奨されると考えます。

一方で企業として長時間残業面談を重く見る場合45時間等別途会社側が定めた基準で面談を行う場合も多いです。

なぜ長時間残業面談をおこなうのか?

面談には意義があります。

長時間残業面談に関しては長時間労働による健康障害を避ける目的があります。

ですので「長時間残業面談による健康障害とは何か?」をしっかりと認識しておく必要があります。

ずばりこれは「過労死」が代表的なものと言われています。

しかしながら過労死と言ってもピンとこない方がいるかと思われます。

実は過労死は「脳血管疾患」「心血管疾患」「メンタル不調」に分類されており脳出血・心筋梗塞・うつ病などが代表的なものであるとされています。

長時間残業面談に意味はあるのか?

長時間残業面談を行っても仕事が減るわけじゃないから意味が無いという方も少なくありません。

確かに元気な状態で仕事ができていれば措置・対策を講ずるべきという意見を出さないこともあります。

しかしながら、心身の状態・労働の状況・健康診断結果などを確認しながら残業時間の制限や業務量の見直しに関して意見書を提出することも実務上確かにあります。

会社としても無視することができない文章ですので対策を講じる必要がでてきます。

一方で、産業医側としても文章で提出しなければならないため「口頭で説明した」では企業側としても対応が難しくなってしまうため注意が必要です。

具体的な記録方法は?

具体的な記録の方法に関してはまずは厚生労働省の意見書作成マニュアルを参考にしていただければと考えます。

実情は書式に関しては必ずマニュアルに沿って作成しなければならないわけではないのですが、どの項目が勘所なのかという点で非常に有益です。

長時間残業面談に慣れていない企業担当者・産業医はこちらを参考にしていただくことがあれば大きな間違いは減ると考えます。

000901968.pdf (mhlw.go.jp)

まとめ

仕事をしていく上で残業を行わなければならないことはどうしてもあります。

一方で、過労死など大きな問題に発展する事例は全国でみると確実に存在します。

少しでもリスクを下げ・対策を講じるために企業側も長時間残業面談をルール化しきちんと実施していくことが求められています。

今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実