振動障害とは、長時間にわたって体や手に振動が伝わる作業を続けた結果、発生する健康障害を指します。

特に、建設機械の操作、道路工事、鉱山作業など、振動を伴う機械や器具を長時間使用する仕事をしている人々がリスクを持つとされています。小さな機械であれ職場内には振動工具が多数あります。

振動障害という現象があることを認識していない場合、長年の振動作業を受けやがて難治性の症状が出た後に「しまった」と思う方も少なくありません。

今回は振動障害によって起こりうる症状とその原因を解説いたします。

事業者や現場担当者の方はぜひ情報を確認していただければと思います。

1. 振動障害の症状

白蝋病(Raynaud現象):長時間の震動曝露後、手指の末梢血管が収縮し、指の色が白く変わる現象。進行すると指の痺れや痛みを伴います。手の一部が白い蝋でできたように見えます。旧来林業でチェンソーなどを使っていた労働者に多かったようです。

(厚生労働省:振動障害の予防のためにガイドラインより引用)

関節痛や筋肉痛:長時間の振動により筋肉や関節に負担がかかり、痛みが生じることがあります。

感覚異常:手や腕に震動が伝わることで、感覚の鈍化や痺れを感じることがあります。末梢神経の障害により起こっています。

減少した握力:手の筋肉が衰え、物をしっかりとつかむことができなくなることがあります。

2. 振動障害の原因

振動の強度と時間: 持続的、または断続的な強い振動が体に伝わると、血管、神経、筋肉、関節などの組織に損傷が生じる可能性があります。

振動工具の性能: それぞれの振動工具が持つ性能や性質により体にかかる負担が変わります。それぞれの機械ごとに周波数補正加速度実効値の三軸構成値と呼ばれる数値が定められています。数値を参考に使用時間を確認していきましょう。

環境条件: 低温や高湿度などの環境条件下での振動曝露は、振動障害のリスクを高める可能性があります。仕事の前に手を温めていくことも有用です。

個人の健康状態: 個人の体質や健康状態によって、振動障害のリスクが異なることがあります。

まとめ

振動障害は、長時間の振動にさらされる作業を行う人々にとって深刻なリスクを持っています。

作業者自身が自分の体調や振動の影響をしっかりと認識し、適切な休憩や防護具の使用などの予防策を講じることが、健康を守るための鍵です。

事業者も振動工具が危険という認識をきちんと用い従業員の安全衛生を管理できるようにしていきましょう。

振動工具の使用時間や使い方に困った際は産業医、労働衛生コンサルタント、器具の販売者に情報を確認することも非常に有用です。まずは振動障害と呼ばれる症状があることを認識し、知識を増やしていきましょう。

お困りの際は連絡をくだされば力になれることもあるかとは思われます。気軽にご相談いただければ幸いです。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実