こんにちは。愛知つのだ産業医事務所の産業医角田拓実です。

今回の記事では、溶接作業を行っている際に経験する「目が痛い」という問題について詳しく解説いたします。

産業医としてはよく相談を受ける事例ではありますが、経験が少ないかたで起こってしまう方も現場では存在します。大きな後遺症に悩まされる方もいます特に経験が浅い方こそ注意をしていきましょう。

一方で業務に慣れた方にとっても「慣れているから」という理由で適切な防護をしない場合があります。慣れていても十分注意していきましょう。

なぜ溶接作業で目が痛くなるのか

溶接作業中に放出される強烈な光は、紫外線や赤外線を大量に含んでいます。

これらの放射線が直接眼に入ると、眼の前部(特に角膜)にダメージを与えることが知られています。

この状態を「電気製眼炎」とも呼び、症状としては目の痛み、充血、涙、砂を入れたような違和感などが現れます。

溶接現場以外での日常ではスキーのゲレンデなどでも認められる「雪目」として知られています。

 電気性眼炎の予防方法

電気性眼炎を予防するためには以下の方法が効果的です:

適切な溶接用ゴーグルの使用:UVカット機能や適切なシェード番号を持つゴーグルを使用することで、紫外線や赤外線から目を守ることができます。

溶接スクリーンの設置:作業場所に溶接スクリーンを設置することで、周囲の作業員や通行人の目を守ることができます。

定期的な休憩:長時間の作業は眼の疲労を招くため、定期的に休憩をとりましょう。

アーク眼になった場合の対処法

電気性眼炎になった場合は以下の対処を推奨します:

目をこすらない
冷水で目を洗い、冷やす
速やかに医師の診断を受ける

痛いなと思った際は必ず眼科を受診することをお勧めします。

まとめ

溶接作業は目にとって非常に危険な作業の一つです。しかし、適切な予防策を講じることでリスクを大幅に減少させることができます。

作業を行う際は十分な注意を払い、安全に労働を続けてください。

皆様の健康と安全を心よりお祈りしています。何か不明点や質問があれば、お気軽にご連絡ください。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実