産業医の届け出書類とは?
会社で働く人たちの健康を守るために、会社は「産業医」という医師を置く必要があります。
産業医を選んだら、今度は労働基準監督署という役所に、「この医師を産業医として選びましたよ!」と報告する必要があります。 この報告には、決められた書類があって、「産業医選任報告書」と呼ばれています。
産業医の届け出書類の概要
「産業医選任報告書」は、会社の健康診断の結果を見てくれる医師を決めたことを、労働基準監督署に報告するための書類です。
この書類には、どんな会社なのか、どんな医師なのかを書きます。
例えば、
- 会社の情報:会社の名前、住所、電話番号、どんな仕事をしている会社なのか
- 産業医の情報:産業医のの名前、住所、誕生日、医師免許証の番号、どんな分野の専門の医師なのか
などを記入します。
産業医の届け出書類の提出先と提出期限
この「産業医選任報告書」は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署に提出します。
提出期限は、産業医を選任した日から14日以内です。
例えば、4月1日に産業医を選任した場合、4月15日までに届け出を完了させる必要があります。提出期限を過ぎると、ルール違反になってしまう可能性があるので、注意が必要です。
産業医の届け出書類の入手方法と入手先
「産業医選任報告書」を入手する方法は、いくつかあります。
- 労働基準監督署の窓口でもらう一番確実な方法は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署へ直接行って、窓口でもらう方法です。
- 厚生労働省のホームページからダウンロードする厚生労働省のホームページから、「産業医選任報告書」の様式をPDF形式でダウンロードできます。ダウンロードした様式を印刷して使用します。総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
- 「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を利用するインターネットを利用して、会社が所轄の労働基準監督署へ提出する申請や届出を支援するサービスです。様式(帳票)の作成・印刷や、画面から入力した情報をe-Govを介して直接電子申請することもできます。労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス (mhlw.go.jp)このサービスでは、例えば、
- 労働者死傷病報告
- 定期健康診断結果報告書
- 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書
- 総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告
- じん肺健康管理実施状況報告
- 有機溶剤等健康診断結果報告書
- 有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書
などの様式(帳票)の作成または電子申請ができます。
“電子申請”を利用する場合は、e-Govアカウント、GビズID、またはMicrosoftアカウントが必要です。
“電子申請”の場合は、スマートフォンなどのモバイル端末での操作もできます。
“電子申請を利用しない”場合は、申請や届出のオンライン申請はできません。作成した様式(帳票)を印刷して所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
産業医の届け出書類の提出方法と必要書類の添付
オフラインで提出する際の提出先は、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署になります。
提出する際には、必要書類を忘れずに添付しましょう。必要な書類としては、
①届出書
②医師免許証の写し
③産業医としての資格を証明する書類(日本医師会認定産業医認定書、労働衛生コンサルタント(保健衛生)合格証、産業医ディプロマ等)
産業医の届け出後の変更や再申請の手続き方法
企業活動は生き物です。事業規模の拡大や縮小、産業医の交代、事業所の移転など、さまざまな変化が起こります。このような場合は、速やかに変更届を提出する必要があります。
変更届が必要となるケースを具体的に見ていきましょう。
- 産業医の交代: 産業医が退職や異動などで交代する場合、新しい産業医の選任を届け出る必要があります。前任の産業医との間で、業務の引継ぎをスムーズに行うことも大切です。
- 事業所の移転: 事業所が移転する場合、新しい事業所の所在地などを届け出る必要があります。
変更届に必要な書類や提出先は、届け出の内容によって異なるため、事前に労働基準監督署に確認することが重要です。
産業医の届け出は、企業が労働安全衛生法を遵守し、従業員の健康と安全を守る上で非常に重要なものです。届け出手続きや確認方法を正しく理解し、適切な対応を心がけましょう。
愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実