産業医の先生はアルバイト感覚で大丈夫ですか?

こんにちは。愛知つのだ産業医事務所の角田拓実です。

今回はいわゆる”アルバイト”感覚で行われてきてしまったという産業医の背景を紹介しようと思います。

今日では多様な業務をこなし責任が増えており徐々にアルバイト感覚の産業医は減りつつありますが、依然そのような環境が存在することも事実です。

なぜアルバイト感覚になってしまうのか?

産業医の業務自体に注目が集まっていなかった時代が少し前まで存在していたのが事実です。

現在でも地元開業医の先生や病院医師が産業医業務を担ってきましたが、どうしても患者さん対応や手術の合間に訪問を行う必要があります。

しかしながら、多忙を極める医師はどうしても訪問をすることができずいわゆる”名義貸し”の状況になってしまっていたことが多かったようです。

法令的には月に1回職場を訪問し巡視を行うなどの必要がありますが、形骸化してしまっている状態が継続していました。

産業医も時々訪問したり名前を貸しておけば顧問料がもらえる気軽な”アルバイト”として認識されていたようです。

一方で、健康診断や困った際に相談できる先でもあったためもちろん選任の効果はありました。

地方企業でたまに相談できる医師として「助かった」という意見はしばしば耳にします。

アルバイト感覚が通じなくなりつつあります。

職場内での健康問題や健康経営に注目が集まる現代ではじょじょにアルバイト感覚ではだめだという認識の企業が増えてきています。

メンタルヘルス問題や化学物質対応等業務に関わる課題も増えてきています。

従来の名義貸しのアルバイト状態では対応ができなくなってきているのは明白です。

産業医を行う医師は徐々に産業医を専従として行う医師や臨床と併せた副業務として取り組む医師が増えてきています。

一方で、地域の先生にお願いしているから、以前からつながりのある大学の先生だから、社長の知り合いの医師だからという理由で選任を変えることができないことも多いようです。

産業医として専従している私としてはアルバイト感覚では「会社のため」にも「従業員のため」にもならないと考えますが、実際の選任変更はなかなか難しいのが現実です。

すでに選任している先生を変えることができないため最近では二人目の産業医を選任するケースすらあるようです。

産業保健師を活用することも一つの方法です。

弊社ではそのようなギャップを埋めるため産業保健師の訪問事業を展開しています。

もちろん産業医巡視の義務に関しては充足できませんが、健康診断を行った後の保健指導や復職後のフォローアップの支援、現行産業医の先生に対して情報を集めることで意見を頂く際の情報提供を助けることが可能です。

二人目の産業医を選任するよりもコスト感を抑えることができるため、どうしても時間が作りづらい産業医の先生を選任している事業所のサポートが可能です。

状況によっては労働衛生コンサルタントである弊社産業医からもサポートを行うことができますので難解な事例に対しても充実した支援体制が可能です。

まとめ

以前よりアルバイト感覚の名義貸しが多かった背景はありますが、徐々に企業に求められる産業医に十分な業務を行わせる責任は増えています。

産業医の見直しも含めて考えていく時代になりつつあります。

一方で、産業医を変更できないケースも少なくないため二人目の産業医やサポートを行う保健師を採用するケースも増えています。

弊社でも上記問題に関して支援を行うことが可能ですのでお困りの際は気軽に相談していただければ幸いです。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実