過労死は、過度な労働に起因する健康問題による死亡を指します。

過労死は、長時間労働、高いストレス、適切でない休息の不足などの要因が組み合わさって発生します。

以下は、過労死を予防するための推奨されるステップの一例です。過労死は複合要因によって起こりますので様々な施策を講じていくことが必要です。

過労死はご本人だけでなくその家族や会社にとっても非常に大変な影響を与えます。ご本人や職場全体で予防策を講じることが重要です。

働く時間の制限

定期的にオーバータイムをすることなく、週の労働時間を適切に制限することが重要です。

過労死ラインは複数月で80時間以上、単月で100時間以上を基準としています。

一方で近年のガイドラインの変更で80時間未満においても過労死と認定するとの方向性が打ち出されております。

単純に基準に縛られず改善を進めていくことが必要です。

健康診断の活用

定期的な健康診断を受け、特に心・脳j血管疾患関連の項目やストレス関連の問題に注意を払うことが重要です。

血圧、糖代謝、脂質代謝が特に関係してくる分野ですが一般的にはなかなか注意ポイントがわかりません。

健康診断の結果はご本人任せにせず必ず医師や職場の産業医に確認をしていただくことが必要です。

医師の意見を聴取した際は誠実に対応策を吟味し実施していくことも求められます。

ストレス管理

メンタルヘルスのサポート、カウンセリング、リラクゼーションテクニックなどのストレス軽減策を学ぶことが重要です。

職場内ではいわゆるセルフケア・ラインケアに関しての理解を進めていくことが重要です。

必要に応じてセルフケア・ラインケアに関する講習を実施することも必要です。

職場内の担当スタッフで難しい場合は産業医や外部スタッフに相談してみるといい結果を得られる可能性があります。

教育と啓発

過労死のリスクとその予防策についての教育と啓発活動を行うことで、従業員や経営者に意識を高めることができます。

実際の状況や事例などを専門家から学ぶことは非常に有意義です。

セミナーが難しい場合はポスターなどの掲示から始める事業所もあります。

労働基準の順守

国や地域の労働基準や法律を順守し、過労を防ぐためのガイドラインや制限を実施すること。

法令は産業保健や職場の安全の礎です。

法令を守らず大きな健康災害が起こった場合は会社として刑事的責任・社会的責任・民事的責任・行政的責任が課されます。

法令を守ることは従業員を守るだけでなく会社を守ることにもつながっていきます。

まとめ

職場で働いていく以上、心身に負担がかかっていくのは必然です。

生産も大切ですが従業員が継続して働き続けることができる環境を作っていくことも事業所の大きな目標です。

会社のリスク軽減のためにも今一度注意してくだされば幸いです。

私たちの健康と安全は、私たちの仕事の質や生産性に直接的な影響を与えるだけでなく、私たちの家族や友人との関係にも影響を与えます。

過労死を予防するためのこれらのステップを取り入れ、より健康的で安全な職場環境を作り出すことを心がけましょう。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実