新入社員は会社の未来を担う重要な資源です。新入社員が健康であり続けることは、企業の持続的な成長と繁栄に直結しています。

一方で社会に出て業務に当たっていくことは社会通念上でも医学的にも当然負担やストレスは大きなことです。

この記事では、新入社員の健康管理における産業医の役割について詳しく説明します。

健康診断の実施

新入社員が入社する際、最初に健康診断を受けることになっています。

この健康診断は雇い入れ時健康診断と呼ばれています(法令上の必須項目です)。

産業医はその結果を基に、個々の健康リスクや問題点を把握し、適切なアドバイスやガイダンスを提供します。

必要に応じて危険業務からは外さざるを得ないこともあります。これは長期間働いてもらうためには必要な措置になります。

医学的な側面の部分ですので産業医の意見を参考にすることは非常に重要です(ただし、必ず従わなければならないわけではありません。)

 勤務環境の適正化

新入社員が健康に働ける環境を提供するため、産業医は勤務環境の評価や改善提案を行います。

これには、照明、騒音、温度などの物理的な側面だけでなく、ストレスや過重労働のリスクも含まれます。

職場の3管理を行い適切な環境づくりを進めていくことは新入社員だけでなく一般の社員やベテランの高齢社員にとってもいい影響を与えてくれます。

精神的なサポート

仕事のプレッシャーや人間関係のトラブルなど、新しい環境に適応するのは難しいことがあります。

産業医は、これらの問題を早期に察知し、必要に応じて相談や適切な指導を提供します。

必要な場合には精神科医への受診を勧めることもあります。

とはいえ、一番重要なのは精神面が崩れることを未然に防ぐことです。

ラインケア講習会(上司から部下への見守りを行い不調をあらかじめ察知すること)を実施して上司教育をおこなっていくことも非常に大切です。

健康教育の提供

新入社員には、正しい勤務態度や健康習慣を身につける機会を提供することが重要です。

40年近く続く職業人としての人生を歩むにあたって将来体調を崩さないための体作りが大切なのです。

産業医は健康教育のセミナーやワークショップを実施し、健康的な生活習慣の普及に努めます。

フォローアップ

雇い入れ時健康診断だけでなく、定期的な健康診断やフォローアップを通じて、新入社員の健康状態を継続的に確認していきます。

異常所見が認めら、就業に危険が想定される場合は事業者に適切な対応を提案します。

業務に支障が出る場合もあるため本人や会社人事を交えた議論が必要になることもあります。

まとめ

新入社員が持続的に働き続けるようにしていくことで会社の持続的な発展に寄与することができます。

産業医は、新入社員が健康で働けるようサポートする役割を担うとともに会社に対しても健康アドバイスや健康経営の取り組みをサポートします。

新入社員の継続的な働きのために産業医を活用していくことは今後よりいっそう重要になりそうですね。

愛知つのだ産業医事務所株式会社 産業医 角田拓実