メンタルヘルスにおける1次・2次・3次予防とは?

こんにちは。産業医の角田です。

今回はメンタルヘルスにおける1次予防・2次予防・3次予防に関して解説を行っていきます。

産業保健では一般的な概念ですが、人事労務担当者の方には聞きなれない言葉かもしれません。

  • 1次予防:メンタルヘルス不調を起こさせない
  • 2次予防:メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応
  • 3次予防:メンタルヘルス不調の治療

といったように大きく分類することができます。

ピンとこない方もいると思います。今回はメンタルヘルスの予防に関してかみくだいて説明していきます。

メンタルヘルスにおける1次予防

メンタルヘルス予防における1次予防とは「メンタルヘルス不調を起こさせない」です。

一番わかりにくい段階ですが、従業員自身で自身のストレスに気が付いていただきストレスと上手に向き合っていただく。

ストレスを感じにくい職場環境を作っていく。

上記のような気づき・環境を作ることで「そもそもメンタルヘルス不調を起こさせない」予防が1次予防です。

厚生労働省の4つのケアにおいてはセルフケアに相当しますね。

ストレスチェックを上手に活用することで従業員自身の気づきを得る、集団分析で職場上のストレス原を調べるなどが有効です。

メンタルヘルスにおける2次予防

メンタルヘルスにおける2次予防とは不調者の早期発見、早期対応です。

病気に関してはどんな場合でも早期発見は大切ですね?

しかしながら、メンタルヘルス不調者は一見して不調かどうかはわかりずらいものです。

できるだけはやく産業医・産業保健師・精神科医につないでいくことが大切です。

上長を含めてメンタルヘルス不調への理解を深めることで、早期発見をしていくことが大切です。

タイミングを逸して重度のメンタルヘルス不調に陥ると回復に時間がかかる・一度治っても再発しやすいなど多くの問題が発生します。

メンタルヘルスにおける3次予防

メンタルヘルスにおける3次予防とはメンタルヘルス不調に陥ってしまった患者を治療することです。

このレベルになってしまうと治療が難渋するケースがしばしば散見されます。

回復後の職場の受け入れ態勢・就業上の配慮などを産業保健職・人事労務担当者・職場を含め対応策を考案することが大切です。

前述したとおりメンタルヘルス疾患は再発も多いので負荷がかかりすぎないことも勘案することも必要ですね。

一方業務遂行能力(きちんと仕事ができるか?)が重要な要素になるため、社内規則にのっとりながらオーダーメイド的な考え方も考慮する必要もあるでしょう。

メンタルヘルス対応は考慮すべき事項が多い

世間で一般的に知られるようにメンタルヘルス対応は難渋するケースが多いです。

3次予防レベルになる前に対策が打つことが大切です。

大切な従業員の健康・そして会社の生産性を落とさないために、メンタルヘルス対策を進めていきましょう。