職場におけるメンタル不調の初期対応とは
こんにちは産業医の角田です。
今回は職場におけるメンタルヘルス不調への初期対応ということで概略を説明させていただきます。
そもそもメンタルヘルスっって何なの?という方もいらっしゃると思いますのでその点も解説していきます。
メンタルヘルスとは?
メンタルヘルスとは「精神の健康状態」を表します。
精神症状とは様々であり、抑うつ状態・気持ちの落ち込み・焦り・不安・異様な興奮状態(双極性障害)・身体症状(精神面からくるもの)等が存在します。
近年ではメンタルヘルスに関しての注目が集まっており、なんとなく「メンタルヘルス不調かも?」と感じる周囲の方や担当者も多いのではないでしょうか?
一方で、「どのようにメンタルヘルス不調に対応していいかわからない」、「対応したことで悪化してしまったら心配だ」という方が多いことも理解できます。
本記事では国が推奨しているメンタルヘルスケアの対応例を示していきます
職場でのメンタルヘルスに対する4つのケア
今回紹介するのは「労働者の心の健康の保持推進のための指針」に示されている4つのケアです。
- セルフケア
- ラインアによるケア
- 事業場内産業保健スタッフによるケア
- 事業場外資源によるケア
が4つのケアに該当します。
職場スタッフで対応できるケアは主に上二つのケアです。
それぞれ説明をしていきます。
セルフケアとは
セルフケアとは文字通り従業員自身によるストレス対応・気づきです。
ストレスチェックやストレスに対する教育を行ったうえでストレスに対する正しい知識を身に着けていきます。
その上で自身によるストレス解消・ストレスへの対処をするものです。
しかしながら、状況がそれを許さない場合は多々あります。次はラインによるケアに関して説明していきます。
ラインによるケアとは?
ラインによるケアとは主に上司によるストレス対応を指します。
こちらも社内教育や社内施策を通し上司にメンタルヘルスケアに対する知識・対応を身に着けていくスタイルをとることが多いです。
ラインによるケアでは知識を身に着けた上司が職場環境等の把握や改善、労働者の不調への早期の気づき、復帰時の対応などをサポートする等の働きが期待されます。
教育以前ではメンタルヘルスケアに不理解だったことで部下が不利益を被る事例が散見されるので効果を得られるようにしたいですね。
社内スタッフ・社外スタッフによるケアとは?
残りの二つのケアは主に産業保健職(産業医・保健師・心理士)等が行うケアです。
メンタルヘルス教育を受けても実際にメンタルヘルス不調者が出た場合は早めに産業スタッフとの情報共有を行うことが重要です。
やはり職場で手に負えない事例は非常に多いでし、専門的なアドバイスを受けることが可能です。
産業医・保健師・心理士等との面談を行い重症度によっては精神科への受診を勧める場合も存在します。
どのように施策をしていけばいいのでしょうか?
今回の説明をしたような施策を行う場合は必ず産業保健職を交えて進めることが大切です。
メンタルヘルス対策の構築には専門家の知識が不可欠です。
産業医・保健師・心理士に関してもメンタルヘルスケアに対して熱意のあるスタッフに依頼を行うことが大切です。